阪急阪神リート投資法人

証券コード:8977

サステナビリティSustainability

環境への取組み

環境目標

2022年12月に実施したサステナビリティ推進委員会において、2050年カーボンニュートラル及びネットゼロを目指した以下の環境目標を設定しています。

  1. 温室効果ガス排出量:2030年度に35%削減
  2. エネルギー消費量:1年に1%削減
  3. 水消費量:2030年度に10%削減
  • 原単位、2018年度を基準年度とする

2050年度(長期目標)については、カーボンニュートラル及びネットゼロに向けて各種取組みを加速させていきます。

エネルギー等消費量・原単位実績

※このテーブルは横にスクロールできます。

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
エネルギー消費量 消費量(MWh) 184,420 192,396 168,614 161,297 162,361
原単位(kWh/㎡・年) 587 578 503 492 513
原単位対前年度比 98.5% 87.0% 97.9% 104.3%
原単位対基準年度比 98.5% 85.7% 83.9% 87.5%
水消費量 消費量(㎥) 470,414 491,095 321,767 322,214 397,122
原単位(㎥/㎡・年) 1.477 1.478 0.959 0.979 1.256
原単位対前年度比 100.1% 64.9% 102.0% 128.3%
原単位対基準年度比 100.1% 64.9% 66.3% 85.0%
温室効果ガス排出量 排出量(t) 29,479 26,612 22,127 22,210 19,619
原単位(t/㎡・年) 0.094 0.080 0.066 0.068 0.062
原単位対前年度比 85.4% 82.3% 103.0% 91.3%
原単位対基準年度比 85.4% 70.3% 72.4% 66.1%

※2023年10月1日時点
※データ把握率100%(2022年度、敷地物件を除く、共有物件は持分を乗じて算出、ガス 使用量はテナント直接契約分等集計困難なデータを一部対象外とする)
※エネルギー消費量は一次エネルギー換算後の数値を使用
※温室効果ガス排出量 は S cope3 (カテゴリ 13 :リース資産 下流 部分に由来する排出量) を対象 に含む

 

エネルギーマネジメント

省エネルギーポリシーの制定

投資法人及び資産運用会社は2019年3月に制定した「省エネルギーポリシー」に基づき、運用不動産ポートフォリオのエネルギー消費量を継続的に把握し、目標値に対する達成度を測っていきます。エネルギー効率の低い物件については、運用改善及び設備投資を検討し、ポートフォリオ全体でのエネルギー消費量の継続的削減を目指します。

  • 設備改修による取組み

    LED照明への切替え、高効率空調への更新など、設備投資を伴う対策については、ライフサイクルコスト等を考慮し、費用対効果の高いものから優先的に実施を検討します。

  • 運用改善による取組み

    閉店後の電気・ガスの切り忘れの点検、不在時・不使用時の消灯点検(廊下・倉庫・会議室等)、共用部空調の適正な温度設定、夏季のトイレ洗面器温水及びウォシュレット便座ヒーターの適正な温度設定、共用部(バックヤード部分)照明の適切な間引き点灯等、PM会社・テナント様と協働して取組みを推進しています。


住宅・建築物省CO2先導事業の適用

住宅・建築物省CO2先導事業とは、国が省CO2の実現性に優れたリーディングプロジェクトとなる住宅・建築プロジェクトを公募し、予算の範囲内において、整備費等の一部を補助し支援する事業のことで、グランフロント大阪は2009年度に同事業の適用を受けました。「複数街区一体での水と緑のネットワークの整備」、「実効性の高い省CO2技術の採用」及び「持続可能なマネジメントシステムの構築」が取組み方針として採択され、大規模な屋上緑化・街区緑化、自然換気システム、太陽光発電の採用など環境に配慮した設計となっています。

グランフロント大阪

再生可能エネルギーの活用

100%再生可能エネルギー由来電力の導入

グランフロント大阪では、共用部のみならず、テナント専有部も含めた施設で使用する全電力を、CO₂フリーの再生可能エネルギー由来電力に切り替えました。

グランフロント大阪

太陽光発電設備の導入

阪急西宮ガーデンズでは、南駐車場上部(山手幹線沿い)にソーラーパネルを設置し、発電した電力で照明を点灯しています。HEPファイブにおいても屋上にソーラーパネルを設置し、クリーンな自然エネルギーを観覧車のライトアップに活用しています。1階アトリウムには太陽光による発電量を表示したモニターを設置しています。なお、発電・消費量は以下のとおりです。

物件名 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
HEPファイブ 18,054kWh 18,197kWh 18,432kWh 17,473kWh 18,394kWh
  • 2023年10月1日時点
ソーラーパネル

風力発電設備の導入

阪急西宮ガーデンズでは、サボニウス型の風車とソーラーパネルを組み合わせたハイブリッドタイプの発電設備を設置し、発電した電力で屋上照明を点灯しています。

風車とソーラーパネル

LED照明への切替え

投資法人の保有物件では、省エネルギー対策の観点からLED照明への切換えを推進しています。HEPファイブやデュー阪急山田、北野阪急ビルではバックヤードを除く共用部の、汐留イーストサイドビルや上六Fビルディングでは専用部の照明を概ね全てLED照明に更新済み、その他の物件においても共用部を中心に順次更新を進めています。

ヒートアイランド対策

夏場のヒートアイランド対策として、阪急西宮ガーデンズでは屋上庭園に噴水・ドライミスト、シネマコンプレックス屋上に散水用スプリンクラー、HEPファイブではメインエントランスにドライミスト、グランフロント大阪ではうめきた広場にカスケード等の水景施設及びミスト演出装置を設置し、空調負荷軽減によるCO2排出量削減に寄与しています。

噴水
ドライミスト

都市部における壁面や緑化の推進

グランフロント大阪では、外周に全長500mの「いちょう並木」と南館と北館の間を東西に横断する「けやき並木」を設けています。北館の北側にある4,000㎡の庭園では、四季のうつろいを感じられるスペースとして年間を通して散策を楽しんでいただけます。また、南館・北館9階の屋上には計10,000㎡を超える屋上庭園を設け、オフィスワーカーの知的交流の場を創出しています。
阪急西宮ガーデンズ屋上のスカイガーデンは、「自然環境との調和」を施設コンセプトに、六甲山系に自生する樹木や桜、果樹等で緑化され、訪れる人々の憩いの空間となっています。

いちょう並木
屋上庭園

スカイガーデン

テナントとの協働

グリーンリース契約の推進

グリーンリース契約とは、ビルオーナーとテナントが協働し、不動産の省エネ等の環境負荷の低減や執務環境の改善について契約や覚書等によって自主的に取り決め、その取り決め内容を実践することをいいます。投資法人ではグリーンリース条項を含む契約の拡大に努めます。

グリーンリース契約の成約事例

投資法人の保有物件の内、2023年5月末現在12物件において、サステナビリティへの関心の高いテナントとグリーンリース条項を含む契約を締結しています。主な物件における条項例は以下のとおりです。

  • 日常における、専用部のエネルギー・水の使用量抑制、廃棄物の排出量抑制及び分別推進、これらの自主的な管理体制の構築
  • 専用部工事及び物品調達の際のエネルギー・水使用量や、廃棄物の抑制と環境配慮型資材の採用
  • サステナビリティ推進策(認証取得、エネルギー及び水使用量・廃棄物の排出量の情報交換、ビルの快適性維持・向上)への協力

水資源への取組み

節水ポリシーの制定

投資法人及び資産運用会社では、2019年3月に制定した節水ポリシーに基づき、運用不動産ポートフォリオの水消費量を継続的に把握し、目標値に対する達成度を測っていきます。水資源利用効率の低い物件については、運用改善及び設備投資を検討し、ポートフォリオ全体での水消費量の継続的削減を目指します。

  • 設備改修による取組み

    節水機器への更新、節水装置の導入など、設備投資を伴う対策については、ライフサイクルコスト等を考慮し、費用対効果の高いものから優先的に実施を検討します。

  • 運用改善による取組み

    管理清掃時の節水、巡回時の洗面所・トイレの水漏れチェック等、PM会社、テナントとも協働し、節水に努めています。

雨水の再利用

阪急西宮ガーデンズやグランフロント大阪、メッツ大曽根では、雨水を貯水し、植栽灌水やトイレ洗浄水として再利用しています。

厨房排水除害設備の設置

阪急西宮ガーデンズでは、厨房排水除害設備を備え、飲食・食品店舗の厨房排水を公共下水への排水前に複合微生物群により処理することで汚濁物質を低減し、西宮市の下水道への排除基準を大きく下回る水準の水質を維持しています。

廃棄物管理

廃棄物の管理

投資法人及び資産運用会社は、運用不動産ポートフォリオの廃棄物処理業者提出の数値を定期的に確認、把握しています。

計量課金の実施

阪急西宮ガーデンズ及びグランフロント大阪では、各テナントが排出した廃棄物を専用の計量器にて測量し、排出した廃棄物量に応じた課金システムを採用しています。当該システムによりテナントの廃棄物の排出抑制に貢献しています。

分別廃棄とリサイクルの徹底

デュー阪急山田やHEPファイブ等では、段ボール、紙類、かん、びん、ペットボトルの分別によるリサイクルを徹底しています。

リサイクルごみ袋の使用

阪急西宮ガーデンズでは、阪神電気鉄道株式会社が運営する阪神甲子園球場で回収したプラスチックカップの再生原料を一部使用した「リサイクルごみ袋」を、共用部で発生するごみの回収に使用しています。循環型リサイクルの取組みに寄与しています。

外部認証

GRESBリアルエステイト評価における「2スター」及び「Green Star」評価の取得

GRESBは、不動産会社・ファンドの環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測る年次のベンチマーク評価です。

投資法人は、2023GRESBリアルエステイト評価において、総合スコアのグローバル順位により5段階で格付されるGRESBレーティングで「2スター」を取得しました。また、ESG推進のための方針や組織体制等を評価する「マネジメント・コンポーネント」と保有物件での環境パフォーマンスやテナントとの取組み等を評価する「パフォーマンス・コンポーネント」の双方において優れた参加者であることを示す「Green Star」の評価を5年連続で取得しました。ESG情報開示の充実度を測るGRESB開示評価においても、ESG情報開示の取組みが高く評価され、最上位の「Aレベル」の評価を4年連続で取得しました。

DBJ Green Building認証の取得

「DBJ Green Building認証」とは、環境・社会配慮の観点から、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)が物件を5段階で評価し、認証する制度です。
今後も継続的に認証物件の拡大を進めてまいります。

国内トップクラスの卓越した「環境・社会への配慮」がなされた建物

阪急西宮ガーデンズ

極めて優れた「環境・社会への配慮」がなされた建物

HEP ファイブ

非常に優れた「環境・社会への配慮」がなされた建物

CASBEE不動産評価認証の取得

CASBEE不動産評価認証とは、建築環境総合性能評価システム(CASBEE/Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)を使用して建築物の環境性能を評価し格付けする制度で、省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するものです。

CASBEE 2022 CASBEE 2022

Sランク(素晴らしい)

環境認証物件の比率

全ポートフォリオにおけるグリーンビルディング認証取得率(延床面積ベース)は60.0%となっています。
※2023年11月30日時点

 

グリーンファイナンス

投資法人は、グリーンファイナンス実施のために、「グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2018年版」、「グリーンボンドガイドライン2020年版」、「グリーンローン原則(Green Loan Principles)」及び「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版」に即したグリーンファイナンス・フレームワーク(以下「本フレームワーク」といいます。)を策定しました。

グリーンファイナンス・フレームワーク

調達資金の使途

グリーンファイナンスで調達された資金は、グリーン適格資産(注)の取得もしくは改修工事等の実施またはそれらに要した借入金(グリーンローンを含む)もしくは投資法人債(グリーンボンドを含む)の返済・償還資金に充当します。

  • 下記「適格クライテリア」を満たす資産をいいます。

適格クライテリア

以下のいずれかの基準を適用します。

  1. グリーン適格資産

以下の第三者認証機関による認証(以下「グリーンビルディング認証」といいます。)のいずれかを、グリーンボンドの払込日、グリーンローン実行日または本フレームワークに基づくレポーティング日から過去36か月以内取得済もしくは更新済、または今後取得予定もしくは更新予定の資産

  • DBJ Green Building認証における3つ星、4つ星または5つ星
  • CASBEE認証におけるB+ランク、AランクまたはSランク
  • BELS認証における3つ星、4つ星または5つ星
  • LEED認証におけるSilver、GoldまたはPlatinum
  1. 改修工事

グリーンボンドの払込日もしくはグリーンローンの実行日から過去36か月以内に完了したまたは今後完了予定の、投資法人の保有資産に係る、以下のいずれかの基準を満たすことを目的とする改修工事

  • グリーンビルディング認証のいずれかにおいて、星の数またはランクの1段階以上の改善
  • CO2排出量、エネルギー消費量、または水の使用量のいずれかを10%以上削減
  • その他環境面において有益な改善を目的としたもの(従来比10%以上の使用量もしくは排出量の削減効果が見込まれるもの)
  • 再生可能エネルギーに関連する設備の導入または取得

資金調達の管理

投資法人が保有するグリーン適格資産の取得価格の合計及び適格クライテリアを満たす改修工事の支出額の合計に総資産に対する有利子負債比率を乗じた金額をグリーンファイナンスの上限額(以下「グリーン適格負債額」といいます。)とし、グリーンファイナンスで調達した資金の残高が、グリーン適格負債額を超えないように管理します。

グリーン適格資産の取得価格(百万円) 87,916
総資産に対する有利子負債比率(%) 45.8
グリーン適格負債額(百万円) 40,265

※2023年5月31日時点

外部機関の評価

投資法人はグリーンファイナンス・フレームワークの適格性について、評価機関である株式会社日本格付研究所(JCR)より「グリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位評価であるGreen1(F)を取得しています。「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」の内容等については、以下のウェブサイトをご参照ください。

【JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価】
https://www.jcr.co.jp/greenfinance/

ファイナンスの状況

グリーンボンド発行残高

2023年10月1日時点のグリーンボンド発行残高は、2,000百万円です。

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発行額
(百万円)
利率 発行日 償還期限 資金使途
阪急阪神リート投資法人
第4回無担保投資法人債
1,000 0.300% 2020年
10月28日
2025年
10月28日
グリーン適格資産である汐留イーストサイドビル取得に要した借入金(その後の借換えによる借入金を含みます。)の返済資金の一部に充当
阪急阪神リート投資法人
第5回無担保投資法人債
1,000 0.540% 2020年
10月28日
2030年
10月28日
グリーン適格資産である汐留イーストサイドビル取得に要した借入金(その後の借換えによる借入金を含みます。)の返済資金の一部に充当

インパクト・レポーティング

投資法人は、グリーンファイナンスの残高が存在する限り、以下の指標をウェブサイトにおいて年1回公表します。

グリーン適格資産の物件名および環境認証取得状況

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2023年10月1日時点
物件名 取得価格
(百万円)
DBJ Green Building CASBEE BELS LEED
阪急西宮ガーデンズ 18,300 ★★★★★
HEPファイブ 6,468 ★★★★
北野阪急ビル
7,740 ★★★
デュー阪急山田 6,930 ★★★
汐留イーストサイドビル 19,025 ★★★
阪急電鉄本社ビル 10,200 ★★★
芝浦ルネサイトタワー 3,475 S
グランフロント大阪(北館) 6,566 S
グランフロント大阪(南館) 9,212   S
グランフロント大阪(うめきた広場)  A
合計 87,916

グリーン適格資産の定量的指標

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
エネルギー消費量(MWh) 114,742 102,832 97,466 101,814
水消費量(㎥) 279,260 195,083 181,232 219,486
温室効果ガス排出量(t) 15,946 13,713 13,577 12,219

※2023年10月1日時点

※実務上可能な範囲で公表、各年度に保有していた対象物件の数値を集計

※エネルギー消費量は一次エネルギー換算後の数値を使用